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もうちょっと くわしく!(今月のHARMONY PRESSのSchool of VETのちょこっと深読み)

2017年11月2日 木曜日

地球の南北の軸が傾いている(約23°)ということはよく知られていることです。これにより1年を通じて、同じ場所でも時期によって寒暖に差を生じることになります。日本の場合、四季という気候として顕れます。その四季の変化で見ると、11月はいよいよ冬になる初冬の月です。1年を暖かくなっていく期間(2月から8月)と寒くなっていく期間(9月から1月)と分けると、今月11月は寒くなっていく期間の中です。その期間中で今月は一番気温差がある月です。暖かかくなっていく期間で気温差の一番大きい月は4月なんです。最高気温と最低気温の差は4月は10.3℃、11月は8.9℃です。

HARMONY PRESS 11月号のコーナーでは、「小春日和」という季語についてもちょっと書きました。なんとなく暖かくなってくる季節の言葉か、とよく間違えますが、実は、11月のような晩秋から初冬の頃の季語で、この時期の穏やかに晴れた日のことなのです。むかーし、何かのイベントだったか、司会者が3月頃の暖かい日に「今日は小春日和ですねー」ってうっかりしゃべってましたが、トークのプロがしてはいけない間違いですね。さて、その小春日和。暖かい日だと思っても、寒暖の差が大きい11月です。さっき出ていたお日様が雲で隠れてしまう、あるいは日が傾き始める15時過ぎにはぐんぐん気温が下がります。日向ぼっこさせようと窓際に小鳥さんのケージを置いておいたら、気温が下がって、寒さで体が膨らんでいた、なんていうことが起きやすい月です。晴れてる、と言っても夏とは違う気温です。体調を崩しやすい動物たちのいる御宅は特に注意しましょう。

初冬の頃の気象用語に「木枯らし1号」というのがあります。初冬だから、今月かなあ。と思って調べてみたら、なんと先月末の10/31に吹いていました!台風22号が過ぎ去った後の強風の日でした。うーん、季節の移ろいは早い!というか、油断してました。。。「木枯らし」は気象庁では以下のように定義しています。

木枯らし:晩秋から初冬にかけて吹く、北よりの(やや)強い風。

です。なんとなくわかるような、ぼやーんとしてるような定義です。まず、晩秋から初冬にかけてという期間ですが、これは10月半ばから11月末を指しています。北よりの風、これは風向(風が吹いてくる方角。北なら北から吹いてくる)が北を中心に北東から北西の範囲でばらついている風、となってます。(やや)強い風についても定義があります。これはやや強い風、と強い風を合わせて、風速が10m/sec以上20m/sec未満という風です。人の体感で、この風はどの様に感じるかというと、風に向かって歩きにくくなるくらいから、風に向かって歩けないくらいになります。20m/sec近くだと転倒する場合もあるそうです。

「木枯らし」については以上ですが、「木枯らし1号」となるとどうでしょうか?木枯らしが今シーズン1番最初のものが木枯らし1号である、と考えたいですが、実は東京地方と近畿地方だけという条件が付いています。名古屋で吹いても木枯らし1号とは言ってくれないのです。また、名古屋飛ばしか!と思いますね。ただ、東京と近畿で木枯らし1号が吹くときは、名古屋も強風であることが多いようです。

木枯らし1号が吹いた日の気象衛星画像です。台風22号から変わった温帯低気圧がオホーツク海にあります。日本海は北ー北西からの風ですね。しかも、日本海の日本列島寄りには、冬の日本海の雲の象徴ともいえる筋状の雲が見えませんか?


そして、その日の午前9時の地上天気図です。冬型の天気図の特徴はよく、天気予報の番組でも聞きますよね。西高東低の気圧配置。等圧線が南北に走る縦縞。そして、等圧線の間隔が狭い。
どうでしょう。地上天気図はまさにそうなってますよね。これでは風が強く吹き付けるわけです。
単純に、西の高気圧の中心気圧は1036hPaで、オホーツク海の低気圧の中心気圧は952hPaですよ。その差は84hPaもあるんです。
これを見ると、あー、冬なんだなあ。とストーブやらコタツの心配をしてしまいますね。

今月のHARMONY PRESSの特集、SFTSについても、深読み情報を発信します!乞うご期待!

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